豪快に水しぶきを上げながら急流を進む保津川下りの船
丹波と京都を結ぶ保津川下りの春の運航が10日、始まった。防寒用の覆いや暖房器具を取り外した「オープン船」が亀岡市保津町の乗船場を出発し、春の訪れを感じさせる心地よい日差しを浴びながら急流を軽やかに進んだ。
花を飾り付けた第1便は午前10時40分ごろ、春の装いで観光客らを乗せて出航した。まだ冷たさが残る風を切り、激流や岩の間を水しぶきを上げて進んだ。船頭の巧みな櫂(かい)さばきで約16キロ下流の京都市右京区の嵐山へ向かった。
出航に先立ち、乗船場で式典があった。保津川遊船企業組合の豊田知八代表理事が「411年間の歴史がある川下りを四季の移ろいや渓谷の美しさを感じながら楽しんでもらいたい」とあいさつした。地元の保育園児の太鼓演奏や若手船頭のダンスなどが本格的な観光シーズンの到来を盛り上げた。