現在の霊柩車
台湾では葬式、結婚式、選挙、どれだか聞いてみないと皆、同じようなものでわからない
個性的なデザインの自動車製造で知られる光岡自動車(富山市)が、クラシックカー風高級霊きゅう車の台湾への輸出に乗り出した。同社が霊きゅう車を海外販売するのは初めて。「台湾では珍しいタイプで、高級感を演出できる」と自信をみせる。
販売を始めたのは、日産自動車が北米向けに製造する左ハンドル車を改造した霊きゅう車「ミツオカリムジンタイプV」。丸い前照灯や銀色の大きなラジエーターグリルを配した荘厳で古風な外観が特徴。台湾の車両検査にも合格した。
車体上部はレザーで仕上げ、色は黒と白の2種類。ひつぎを入れるスペースは、白を基調としたデザインで統一した。
同社によると、台湾では一般車を霊きゅう車に改造することが認められておらず、外国で改造した車を輸入しているという。ベンツやボルボを改造したものが走っているが、クラシックカー風の霊きゅう車はほとんどないという。
光岡自動車は、曲線を生かしたクラシックカー風の乗用車「ビュート」や、スーパーカー「オロチ」など個性的な車づくりで知られる。特徴的なデザインに目を付けた台湾企業から打診があり、2015年に販売代理店契約を締結。昨年10月から年間10台を目標に販売を始め、これまでに3台を売った。