ゴールデンウイークが29日スタートし、京都の社寺は大勢の人でにぎわった。京都市伏見区の城南宮では、平安貴族の歌遊びを再現する「曲水の宴」が催された。庭園では、酒杯が流れる小川のほとりで和歌を詠む前に雨が降り出し、途中から神楽殿に会場を移して行われた。
曲水の宴は、古代中国に始まり、日本では奈良時代から平安中期にかけて宮中の年中行事として催された。城南宮は毎年春と秋に行っている。
今春の歌題は、見頃を迎えた城南宮のフジにちなんで「藤花久匂(ふぢのはな ひさしくにほふ)」。公卿や女官の装束をまとった6人の歌人に歌題が示された後にあいにくの雨となり、小川がある庭園から神楽殿に会場を移した。
神楽殿の表舞台で、白拍子の舞が披露された後、歌人が短冊にしたためた和歌を神職が詠み上げ、参拝者は静かに聞き入っていた。
宴を初めて見に来たという大阪市の保育士、住吉洋子さん(43)は「川に杯が流れる雅な雰囲気の中で見るのを楽しみにしていた。少し残念です」と話していた。