屋根のついた鷹山(右)を描いた「山鉾由来記」
鷹山のご神体人形。通常は7月の数日間しか見られない
祇園祭の「休み山」(焼け山)で現在再建中の鷹(たか)山の歴史をたどる企画展「鷹山ふたたび-祇園祭鷹山復興支援展」が、京都市上京区寺町通丸太町上ルの市歴史資料館で開かれている。1年で祭りの数日間しか見られないご神体人形や、鷹山を記述した文書や絵画史料などを展示している。
鷹山は、中京区三条通室町西入ルの衣棚町にあった後祭(あとまつり)の曳山(ひきやま)だった。応仁の乱以前は「鷹つかひ山」と呼ばれ、乱の後の1500(明応9)年に33年ぶりに復活した山鉾巡行にも参加した。
1788(天明8)年の天明の大火で被災し、復興するものの、1826(文政9)年の大雨で懸装品が被害に遭い、翌年から巡行に不参加。幕末の元治の大火(1864年)でも被災した。2014年に囃子(はやし)方が復活し、不参加から200年の節目となる26年までの復活を目指して再建中だ。
展示では、会所飾りでしか見られない、頭部の焼失を免れた「鷹遣(たかつかい)」「犬遣(いぬつかい)」「樽負(たるおい)」の3体のご神体人形、天明の大火の焼失場所を記した当時のかわら版、屋根がついた鷹山の最古の絵画史料である1757(宝暦7)年の山鉾由来記(御霊会細記)、鷹山を描いた最古の作例の「日吉山王祇園祭祭礼図屏風」(サントリー美術館蔵)のパネルなど、鷹山に関係する資料が一堂に会した。
展示は7月18日までの午前9時~午後5時まで。月曜、祝休日は休館。展示替えがある。無料。