(台北 1日 中央社)アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空が台湾人客室乗務員に中華民国国旗バッジの着用を禁止し、中国大陸の五星紅旗を付けるよう要求していたことがこのほど明らかになった。交通部(交通省)民用航空局によれば、同社の駐台代表は5月31日、同局に対し、会社内部のやり取り上の問題によるミスだったと説明し、駐台スタッフも謝罪の意を示した。
同社は中国大陸当局から「一つの中国」原則を遵守するよう求められたのを受け、中華民国籍の乗務員に対し、バッジを中華民国国旗から五星紅旗に変更するよう要請する内容のメールを内部に向けて送信していた。だが、このメールが先月30日に明らかになると、インターネット上で不満が噴出。同社の公式フェイスブックには31日、中華民国国旗や「台湾は中国とイコールではない」と書かれたイラストなどが多数投稿された。同社は中華民国国旗バッジ禁止の方針を同日までに取り消している。
外交部は問題が発覚すると、即座に中華民国駐UAEドバイ商務弁事処を通じてを同社に抗議した。数時間後に同社から謝罪のメールが届いたものの、引き続き中華民国籍の乗務員に対し、しばらくはいずれの国旗のバッジも着用しないよう求めていると説明されたという。また、同部は31日までに同社台北オフィスのスタッフと面会し、政府として最も厳重な不満と抗議を表明した。
同部は、中国大陸は台湾に対し、手を緩めることなく国際社会で圧力をかけているとし、同部は国家の尊厳と国民の権利を守るため全力を尽くすとの前提のもとに、人脈拡大や経済貿易利益の促進、台湾とUAE双方の実質的交流と協力関係の強化を進めていくとしている。