天皇陛下の退位を実現する特例法の成立を受け、京都市や京都府などで作る「京都の未来を考える懇話会」は、天皇・皇后両陛下が上皇・上皇后となったら京都に住んでもらうことを目指し、実現に向けた課題を話し合う方針を決めた。門川大作・京都市長が12日、明らかにした。
懇話会は2010年に発足。東京への一極集中回避や大規模災害によるリスク分散の観点から、一部の皇族に京都に住んでもらう「双京構想」を掲げ、議論を続けてきた。メンバーは門川市長や山田啓二京都府知事、京都商工会議所会頭の立石義雄・オムロン名誉会長を中心に、山極寿一・京都大総長や華道家元池坊の池坊専好・次期家元らも名を連ねる。
今後、宮中祭祀(さいし)の専門家らの意見を聞きながら、両陛下が京都で長期滞在する際の問題点や、昭和まで京都で行われていた即位の礼と大嘗祭(だいじょうさい)を再び京都で行うための課題などを探る。
門川市長は「上皇になられる陛下に、できるだけ長く京都に住んでいただきたいという願いは多くの市民と共通する。どういうことが現実に可能なのか議論を深めたい」と語った。