京都市を中心とした府南部地域のタクシーの公定幅運賃について、国土交通省近畿運輸局が近く見直しに向けた審査に入ることが13日分かった。現行の初乗り運賃は小型車で1・7キロ=610~550円だが、約1キロ=400円台への変更を求める事業者の申請が相次ぎ、同日、改定の前提となる全法人車両台数の7割に達した。決定は来年1月ごろの見通し。東京や名古屋に続き、京都でも「ちょい乗り」と呼ばれる短距離運賃が導入される可能性が高まった。
ちょい乗り運賃は、高齢者や観光客などの短距離利用の需要を喚起するのが狙い。初乗りは距離が短いため現行より料金が安くなるが、全体では値上げになる。京都では地場大手2社が4月3日に変更申請を提出したのを皮切りに、他の事業者も追随。13日に右京区の1社が提出し、変更申請を出した事業者の合計保有台数が全法人車両台数6052台の7割を超えた。
最初の申請から3カ月となる7月3日までに取り下げなどで7割を下回らない限り、近畿運輸局は公定幅運賃を見直すかどうか審査する。現行運賃で府南部地域のタクシー事業者の平均収支が赤字となることが改定条件。改定する場合は来年1月にも新たな公定幅運賃を公表し、同2月ごろから適用の見込みだ。
京都のタクシー業界関係者によると、人手不足に対応した運転手の待遇改善や、ユニバーサルデザインに対応した新型車両の導入などで費用がかさむとして、多くの事業者が収支がマイナスになるとしており、「審査を通る可能性は高い」という。