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祇園祭・大船鉾に「写し面」 巡行で取り付け、本面守る

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祇園祭の四条町大船鉾保存会(京都市下京区新町通四条下ル)が、約400年前から町内に伝わるとされ、山鉾巡行でご神体人形に取り付ける神面の「写し面」を作った。元からある「本面」の保護が目的で、今年の後祭の山鉾巡行(7月24日)から写し面を付け、本面は大船鉾に乗り込む役員が携えて臨む。

 写し面は縦約23センチ、横約13センチでヒノキ製。2014年の巡行復帰後は、ご神体人形の「神功皇后」の顔に本面を取り付け、鉾に乗せていた。「人形から落ちる可能性がある」と、懸念する声もあったため、代々伝わる面の保護を考慮して新たに面を作ることにした。

 保存会は、京都観世会会長の片山九郎右衛門さんと、能楽金剛流宗家の金剛永謹さんの推薦を受け、能面打の見市泰男さん(67)=大阪府摂津市=に面打ちを依頼した。神が宿るとされる本面は原則非公開。本面から型紙を取ることができないため、見市さんは、制作中の写し面を、何度も保存会へ持参し、役員立ち会いのもとで、本面と見比べながら面を打った。

 大船鉾は幕末の禁門の変(蛤(はまぐり)御門の変)の大火で焼失し、3年前、150年ぶりに復活した。本面は、江戸時代の天明の大火と蛤御門の大火の被災を免れた。かつては宮中でお産がある際に腹帯とともに差し出し、安産を祈ったという。林邦彦理事長(65)は、「何百年も大切に伝えてきた本面を守るために作った。これで安心して巡行に参加できる。これからは二つとも神さまとして扱いたい」と話した。

 写し面は、6月24日に東山区の八坂神社でおはらいを受け、以降は非公開となる。


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