LINEやWhatsAppなどのアプリは、相手がメッセージを読んだかどうかが一目でわかり非常に便利だ。しかし「既読」メッセージがついても返事がない場合は、無視しているということにもなり得る。このほど妻からのLINEメッセージを読んだにもかかわらず返信しなかった夫が、「婚姻を継続しがたい」として離婚を言い渡された。
台湾に暮らすリンさん(50代)は、2012年に40代の夫と再婚した。しかしその幸せは長くは続かなかったようだ。リンさんは義母や夫のきょうだいとも一緒に暮らしており、夫の収入が不安定なため経済的に苦しかった。そのためリンさんがほとんどの生活費を出して家族全員を養うという暮らしだったそうだ。
そのうえ夫の家族はリンさんに意地悪で、シャワーの時間を監視してどれほどお湯を使ったかをチェックしたり、義母から「ローンを組んで義父の税金を払ってちょうだい」などと言われたこともあったという。
しかしこれらの問題よりも、離婚の決め手となった出来事があった。リンさんは夫に半年以上にわたり、LINEで数回メッセージを送っているが全て「既読」になっているにもかかわらず返事をもらうことはなかった。ある日、リンさんが交通事故に遭い搬送先の病院から「緊急治療室にいる」と連絡したところ、それさえも無視されたという。リンさんの事故後、夫は一度だけ病院を訪れ、1~2か月後にようやくLINEで簡単な返信をしたようだが、それは妻の容態を尋ねるものではなく飼い犬のことだった。
今月初め、新竹市の家庭裁判所でカオ判事は「今やネットコミュニケーションは一般的で、普通の夫婦ならこのような対応はしない。LINEのやりとりを見ると夫婦間のコミュニケーションは全くできておらず、2人の結婚の在り方を物語っている。このLINEでのやりとりは、結婚がもはや修復不可能なことを示す十分な証拠になる」と述べ、妻の離婚を認めた。
なおカオ判事によると、夫は一度も法廷審問に出席せず、裁判所が出した通達にも全く返答してこないという。LINEのように「既読」の印がつかないため、夫が妻にしたように故意に無視しているのか否かという判断はつけられないようだ。