(台北 20日 中央社)国立故宮博物院南部院区(嘉義県、南院)での展示中に破損した江戸時代の伊万里焼「染付柳鳥文皿」について、皿を貸し出した大阪市立東洋陶磁美術館の小林仁主任学芸員は19日、南院で状態を確認し、皿の胎土自体の脆弱さに起因して割れたとの見方を示した。人為的あるいは自然災害が原因ではないとしている。
皿は3つに割れていた。小林氏によれば、中心部分から亀裂が入った後に下半分が前方に滑り、上半分が前方に倒れたため、下半分が2つに割れたという。
修復は故宮が行い、かかる費用も全額負担する。小林氏は、故宮の専門性を信頼していると述べた。
南院は18日朝、皿の破損を発見し、即座に東洋陶磁美術館に連絡。割れた皿は2015年12月から始まった「出帆万里—日本伊万里磁器特別展」の展示品として南院に貸し出しされていた。同展の開催期間は当初、2018年12月28日までとなっていたが、両館による話し合いの結果、期間延長の方針が決まったという。割れた皿は修復完了後、引き続き南院で展示される。
故宮博物院の林正儀院長は、今回の件で両館の友情が影響を受けることはないとし、台湾の修復技術の高さを台湾の人々に見てもらえればと語った。