「台東団」(左側)と「能高団」(右側)の選手たち
(花蓮 12日 中央社)野球が盛んな東部・花蓮県で12日、日本統治時代の同地で生まれた、台湾初の先住民チーム「能高団」を記念する「能高棒球節(野球フェスティバル)」が始まった。
15日までのイベント期間中、台湾各地の小中高校から41校が出場する大会や、児童向けの野球教室などが開かれる。主催の花蓮県教育処の劉美珍処長が、野球への熱い思いを取り戻し、地元の野球振興につなげることができればと期待を示した。
花蓮の歴史に詳しい葉柏強さんによると、能高団は1921年、アミ族の少年らが集まって結成されたチームが前身。23年に当時の花蓮港庁長、江口良三郎によって能高団と命名された。25年の日本遠征では、早稲田中学校などの強豪校を相手に善戦し、「蕃人チーム」としてその名を知らしめた。
その後、相次ぐ主力選手の脱退もあり27年に解散となったが、投手の羅道厚(日本名:伊藤次郎)をはじめ複数のメンバーが平安中学校に野球留学し、甲子園出場を果たした。