(花蓮 17日 中央社)東部・花蓮県の景勝地を自転車で走行中、落石にぶつかり重体となっていた日本人男性が今月12日、搬送先の病院で死亡した。16日、遺族が男性の遺骨と共に花蓮を離れる際、地元の自転車愛好家約100人が男性を追悼しようと病院に集まり、駅まで遺族を乗せた自動車を先導した。病院の医師は16日午後、死亡した男性の父親が病院や台湾の自転車愛好家などに宛てた手紙を公開。手紙には父親の台湾への感謝の気持ちや息子の意思を尊重する思いなどがつづられており、医師は感動を示した。
手紙には「悲しい出来事だったが、息子にとっては彼の愛した台湾で一番好きだった自転車に乗っていたときに起きた事故。私にとっては、彼がやりたかったことを実現させようとしたときに起きた事故なのです」と書かれていた。また、「事故が起きた後、台湾の人々の全面的なサポートがあり、台湾にいる間、安心して全てのことが終えられました」と感謝の気持ちもつづられた。手紙は中国語で発表され、最後に父親のサインが添えられていた。
医師は手紙について、「自身の息子がなぜ台湾に来たのか、なぜ自転車に乗らなければならなかったのかといった後悔や不満は書かれておらず、息子を失っても、なお彼の意思を尊重する気持ちがつづられていた」とコメントした。
死亡した男性は花蓮で開催される自転車ロードレースに参加するために訪台していた。