京都市右京区の龍安寺参道商店街で、貸しスタジオ業の男性が施設を観光客向けに無料休憩所として開放している。飲み物の無料サービスや時代劇の放映があり、訪れた観光客からは好評だ。
休憩所を開設したのは貸しスタジオ「楽創」(同区竜安寺五反田町)を営む片山直明さん(62)。妙心寺と世界遺産の龍安寺をつなぐ同商店街には、大勢の観光客が往来するが、店舗に立ち寄らない人も多いという。残念に思った片山さんは、観光客が気軽に立ち寄れる場所を作ろうと7月から取り組みを始めた。
毎週土・日曜の午前10時から午後5時まで開設している。空調の効いた約20畳のスタジオ内では、机や椅子を準備、お茶やコーヒーなど飲み物を無料で提供する。
外国人観光客も引きつけようと、200インチのスクリーンで、時代劇も上映している。約30本のDVDを用意し、「Samurai film」と書いた自作の看板も設置した。
旅行中のアメリカ人レイチェル・アレドンドさん(26)は休憩所を訪れ、時代劇を初めて見た。レイチェルさんは「迫力に引き込まれた。日本での思い出がひとつ増えた」と笑顔で話した。
片山さんは「休憩所をきっかけに、多くの人が立ち寄る商店街になってほしい」と意気込む。