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二条城に江戸時代の眺め再び 京都、櫓や大手門現れ

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広場や歩道拡幅の整備で、東南隅櫓(左)が見通せるようになった二条城



京都市中京区の世界遺産・二条城で、東側を中心に整備が進められてきた駐車場と広場がこのほど完成した。以前は大型観光バスの駐停車で見通せなかった東南隅櫓(やぐら)や東大手門が堀川通から望めるようになり、木の柵の設置と土色の舗装で江戸時代の雰囲気を醸し出した。

 整備したのは、東側を中心とした約1万1千平方メートル。以前は東南側に30台分の大型観光バス駐車場があり、二条城のシンボルでもある東南隅櫓や東大手門が見通せず、景観を阻害していた。また東大手門の入場ゲート前は観光客のたまり場がなく、団体客が駐車場や歩道にはみ出すなど、事故の危険性があり、通行しにくい状況だった。

 整備では、東側一帯にあった生け垣をやめ、絵図を参考に江戸期に近い形で木の柵を施した。バス駐車場だった東南側には広場を整備し、ベンチを置いた。歩道は3メートルから4メートルに拡幅。舗装は江戸期の地層に合わせた土色にし、広場は寛永期、歩道は幕末期の色合いにした。

 北東側には第1駐車場を整備して、普通乗用車120台、観光バス11台のスペースを確保した。ただし団体客の多い10月には、普通車を34台に削減し、バスを9台分増やす。
 北西側には第2駐車場(バス10台)、押小路通を挟んだ南側には第3駐車場(普通車20台)と駐輪場(約100台)を整備した。

 第2駐車場は樹木伐採により、住民から「世界遺産の魅力が失われる」などと反対の声が上がり、当初予定していた駐車台数や伐採数を縮小した。昨年11月に着工、当初予定より1年遅れとなる9月末に完成した。総事業費は約4億5千万円。

 元離宮二条城事務所は「東南隅櫓や東大手門が全面に現れて、江戸期の雰囲気が出るようになった。駐車場は安全面に留意し、住民生活に影響が出ないよう運営したい」としている。


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