(台北 26日 中央社)台湾の過去10年余りの命運を見つめた書籍「受困的思想:台湾重返世界」の日本語版が刊行されることが26日までに分かった。日本の出版社は、日本人の台湾理解に寄与できると同時に、戦後の周辺諸国に対する責任への反省を日本人に促せると考えているという。
同書を台湾で出版した衛城出版の荘瑞琳編集長によれば、日本語版出版が決まったのは今年7月。荘氏は、日本側が出版の方向性を理解し、ほぼ同じ知識観を持っていたことに感動したと語る。
著者は、中央研究院台湾史研究所の呉叡人副研究員。同書では世界史を視野とし、台湾を困難に閉じ込める根源と困難脱出の道を模索する。困難脱出に関しては、日台関係や村山談話、大江健三郎の「ヒロシマ・ノート」「沖縄ノート」などの切り口からも論ぜられている。