楼門をくぐる斎王代ら(31日京都市北区・上賀茂神社)
京都市北区の上賀茂神社は31日、重要文化財の楼門の修理が終わったことを祝い、くぐり初めを行った。田中安比呂宮司(75)や、今年の葵祭でヒロインの斎王代を務めた富田紗代さん(19)らが、朱色に輝く楼門をくぐった。
楼門は2層入り母屋造りの檜皮(ひわだ)ぶきの木造建築物。本殿への正門に当たり、江戸時代前期の寛永5(1628)年に造られた。同神社で朱色の塗装が施されている建物は、楼門とその周囲の回廊だけという。
前回の屋根のふき替えから40年以上が経過して檜皮が耐用年数を超え、周囲の塗装の傷みが著しい状態だった。第42回式年遷宮に合わせた事業として、昨年から屋根のふき替えと色の塗り直しを行っていた。
この日は約70人が参列。おはらいや除幕に続いて、雅楽の調べが奏でられるなか、十二単(ひとえ)姿の富田さんたちが門をくぐった。この後、修理の完了を祝って餅まきがあった。夜間には提灯行列もあった。
田中宮司は「修理を終えて鮮やかな色彩が境内に映えます。一層華やかになりました」と話した。
(京都新聞)