(台北 5日 中央社)台湾製オリジナル漫画を紹介する「第1回台湾漫画フェスティバル」が4日、閉幕した。メインエリアでは、台湾の漫画家368人が全土368 の郷鎮(町村)それぞれのイメージを描いた作品を集めた大型の立体展示が行われた。ベテラン漫画家から新人まで幅広く参加し、台湾製オリジナル作品の潜在力を人々に伝えた。
台湾で催される大型の漫画イベントでは、日本製の作品が大半を占め、台湾人漫画家によるオリジナル作品はほとんど見られないという現状があった。同イベントは、台湾本土の漫画家に作品を発表する場を設けると同時に、作品を見た人々にも郷土への関心を持ってもらおうと台北市漫画従業人員職業工会(労働組合)によって企画された。
ベテラン漫画家の邱若龍さんは、台湾原住民(先住民)のセデック族を描いた作品を展示。邱さんは、中央社の取材に応じ、今回のイベントに参加して初めて、台湾には自分が知るより多くの漫画家がいたことを知ったと明かした。これまで漫画家は孤独な戦いを強いられてきたが、今回の展覧会で力を合わせることができたと語った。
台湾で活躍する漫画家、敖幼祥さんによれば、初開催となった同イベントの準備期間は約1カ月。漫画家たちが自ら展示場のセッティングにも携わったといい、その過程に非常に感動させられたと話した。
台北市内の大学でデジタルデザインを学ぶ陳彦伶さんも今回、作品を出展したアーティストの1人。幼い頃、漫画は日本のものだと思っていたと語る陳さん。台湾にどれくらいの漫画家がいるのかも知らなかったが、今回のイベントを通じて台湾のオリジナル作品のパワーを感じることができたと笑顔を見せた。