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泣き虫先生、感慨ラスト 「スクール・ウォーズ」モデル伏見工

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日本ラグビー史に鮮烈な記憶を刻んできた「フシコー」のラストゲームとなった。12日に京都市左京区の宝が池球技場で行われた全国高校大会京都府予選決勝で、伏見工業・京都工学院高が14-22で京都成章高に敗れて「花園」出場を逃した。来年からは京都工学院の単独チームとして挑む。多くのファンが見守る中で熱戦を繰り広げ、山口良治総監督(74)は「最後まで諦めない好ゲームを見せてくれた」と感慨を込めた。

 山口総監督は、真紅の伏見工ジャージー姿で陣取ったOBの大八木淳史さん(56)らとスタンドで観戦。肩を落とすフィフティーンを見つめ「これで最後だと思うと残念」と言葉をかみしめた。伝統の展開攻撃は封印してFW戦を挑んだ試合運びに「もっとキックを使っても良かったのでは」と話しつつ、「伏見工はラグビーの素晴らしさを全国に発信できた。京都工学院も新しい歴史を築いてほしい」と願った。

 荒廃した高校の不良がラグビーをきっかけに立ち直っていく姿を描いたテレビドラマ「スクール☆ウォーズ」のモデルとして知られる伏見工。全国高校大会で優勝4度、準優勝2度、通算勝利は京都勢最多の52勝。数々の名勝負を繰り広げ、故平尾誠二さんら多くの日本代表を輩出した。

 1980年度の大会で初の全国制覇を遂げた高崎利明ゼネラルマネジャー(55)は「名前が消えることより、今年の3年生を花園に連れていけなかったことが悔しい」と話す。その一方で「選手時代から過ごしたチームの最後を見届けられた自分は幸せ」と思いを打ち明けた。

 多くの人の思いを胸に、チームは新たな時代に向け走り始める。2000年度の大会で優勝した当時の主将、大島淳史コーチ(35)は「名前しか変わらない。中身は変えたらあかんと思っている。これからも(モットーにしてきた)『信は力なり』です」と声を強めた。

伏見工最後の主将となった亀川直哉選手(18)は「これからもラグビー自体は変わらない。『伏見』の良さを受け継いでほしい」と後輩たちに思いを託した。


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