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京都最古の映像、撮影場所特定 読者情報ヒントに

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(見つかった「岡崎町博覧会館」の1900年撮影の写真)




(1897年10月にリュミエール兄弟が派遣したカメラマンが撮った「京都」の映像)









 京都最古で国内でも最古級の映像の撮影場所が13日までに判明した。映画を発明したリュミエール兄弟の作品群に1897(明治30)年の京都の映像があり、撮影場所の情報提供を本紙で呼び掛けたところ、左京区の現岡崎公園野球場に建っていた「岡崎町博覧会館」と分かった。15年間しか同所になく、これまで特定が難しかったとみられる。

 映像はリュミエール兄弟が派遣したカメラマンが同年10月、撮影した。日の丸を掲げた建物前で50秒間、男2人が剣道をしている。

 フランスのリュミエール研究所長でカンヌ映画祭のティエリー・フレモー総代表が10月末、「京都のどこか教えて」と呼び掛け、10月31日付朝刊で掲載した。

 多くの情報が寄せられた中、ヒントになったのは、映像左奥に写っていた多角形の小屋。1903(明治36)年刊の「京都博覧会沿革誌」に、似た建物の配置図が載っていると読者から情報があった。さらに京都博覧会について府立図書館などで調べた結果、「京都博覧協会史略」(1937年刊)に、映像と同じ多角形の小屋が写った写真(1900年撮影)が「岡崎町博覧会館」の正面として載っていた。日の丸を掲げた建物の窓や屋根の特徴も一致し、同会館と判明した。

 もともと同会館は、1895(明治28)年に岡崎で開かれた第4回内国勧業博の工業館として現平安神宮正面に建てられたロの字形建物で、97年春に北東の現野球場に移築。京都博覧協会の物産展示場となったが、1912(大正元)年に取り壊され、後に一帯は岡崎公園の運動場になった。

 今回の映像は、12月1日から京都シネマで公開の映画「リュミエール!」で他の映像と合わせて上映される。

 ■京都博覧会と第4回内国勧業博覧会
 京都博覧会は日本最初の博覧会として1871(明治4)年に西本願寺で開かれたのが始まり。その後、京都博覧会社(後に博覧協会に改称)が作られ、市内の寺や京都御苑内を会場に毎年開き、97年に「岡崎町博覧会館」ができて以降は岡崎に移った。一方、第4回内国勧業博は政府主催。過去3回は東京開催だったのを誘致し、95年に岡崎で開いた。合わせて平安遷都1100年を記念して平安神宮も創建され、それまで畑が多かった岡崎の光景を一変させた。


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