2012年のリムパック
(ワシントン 16日 中央社)米議会の諮問機関、米中経済安全保障調査委員会(USCC)は、15日に公表した年次報告書で、米政府は台湾を最低でもオブザーバーとして環太平洋合同演習(リムパック)など米主導の軍事演習に招待するべきと提言した。これを受けて総統府の林鶴明報道官は同日、同委員会に感謝の意を表明するとともに、健全な台米関係は地域の平和と安定につながるとして、米側との密接な対話と協力に意欲を示した。
報告では、中国大陸の人民解放軍も参加したリムパックのほか、空戦軍事演習の「レッドフラッグ」、サイバー攻撃に対する国際演習「サイバーストーム」などにも台湾を招待することで、台湾の防衛力向上や、地域・国際安全に貢献する機会の拡大を後押しし、国際社会における台湾の活動の場を狭めようとする中国大陸の意図に対抗するべきとしている。
また、最近の両岸(台湾と中国大陸)関係については、蔡英文総統の就任後、双方の緊張が高まっていると指摘。蔡総統は現状維持を主張しているものの、北京当局は蔡総統が一つの中国原則を巡る「92年コンセンサス」を認めないことに不満を抱いており、経済や外交などの手段を用いて台湾に圧力をかけ続けると分析している。
USCCのキャロライン・バーソロミュー議長は中央社の記者に対し、中国大陸の台湾に対する圧力は「強まることはあっても弱まることはない」との見解を示した。