(台北 21日 中央社)9月から修復工事のため休館していた国立台湾博物館本館(台北市)は21日、2カ月ぶりに再開館した。100年以上の歴史を持つ建築自体が見どころとなるほか、日本統治時代の台湾研究などにスポットを当てた新たな常設展示も始まった。
台湾博物館は台湾で最も歴史の古い博物館で、前身は1908(明治41)年に開館した台湾総督府博物館。ギリシャ風の列柱とドームが印象的な本館は1915(大正4)年に落成したもの。1998年に国定古跡に指定されている。今回の修復工事では、壁面や照明器具など、可能な限り当初の姿が再現された。
20日の記念式典に出席した鄭麗君文化部長(文化相)は、同館は今回を含め4回修復を行ったとした上で、文化資産である同館を大切にしてほしいと呼び掛けた。
同館は今回新たに、過去の台湾研究にスポットを当てた常設展示を新設。台湾先住民の研究を行った人類学者・森丑之助らのフィールドワークの軌跡、地質学者・岡本要八郎によって発見された鉱物「北投石」など、日本統治時代に行われた学術研究の数々や、2014年に野生絶滅が確認された「台湾ウンピョウ」の標本など、こんにちの台湾博物館の基礎を築いた367点の文物が展示される。