(花蓮 25日 中央社)東部・花蓮県でセメント業者の石灰石鉱山の採掘権延長撤回と鉱業法改正を求め、地元に住む原住民(先住民)タロコ族の人々や環境保護団体など約100人が23日、業者のトラックを阻止するべく、鉱山に続く道路を占拠。8日間道路封鎖を続けるとして政府に対応を迫っている。
花蓮県では、政府の許可を得たアジアセメント(亜洲水泥)が1973年から石灰石を採掘している。採掘は環境破壊の側面があり、山肌はむき出しに。付近にある有名な景勝地、タロコ峡谷の景観への影響も懸念される。本来、採掘権の期限は11月22日で切れることになっていた。しかし3月に2037年までの延長が決まっており、23日は延長された20年の第1日目だった。
抗議に参加した環境保護団体のメンバーは、これまで環境アセスメントが行われてこなかったことや、地元の先住民の同意を得ていないことなどを挙げ、先住民の基本的権利などを定めた「原住民族基本法」や地質法に違反すると主張している。しかし経済部(経済省)によると、業者の申請は合法的で問題はない。
現行の鉱業法は、採掘権の期限を繰り返し延期できるほか、土地所有者の同意がなくても賃貸料などを預け入れさえすれば採掘が可能になるなど、業者に有利な内容がある。政府は法改正には前向きの姿勢を示しているものの、実現のタイムテーブルは明確になっていない。
道路封鎖の抗議活動を受け、経済部の沈栄津部長は同日、鉱業法の改正については各界から意見を募った上で行政院(内閣)に報告するつもりだと説明した。