さまざまな会社や職種の人たちが仕事場を共有する「コワーキングスペース」が、注目されている。会社とはひと味違う居心地の良さや設備の充実に加え、他業種の人と交流する機会もあるなど、魅力は幅広い。京都でも特色ある施設が相次いで開設され、広がりを見せる。
10月、京都市中京区の烏丸通沿いにコワーキングスペースを備えた「The World Lounge Co&Co」がオープンした。札幌市に続く2店目で、約500平方メートルのフロアにコンセント付きの長机やソファのほか、書店やカフェを備え、くつろげる空間が広がる。語学教室や日本語学校を併設しているのも大きな特徴だ。1日の利用料は1080円、月額で5918円。
コワーキングスペースは起業家や個人事業者が使うイメージが強いが、社外で仕事をしたい会社員や資格試験に臨む主婦の利用も多いという。運営会社の藤田大次郎取締役は「京都は外国人のビジネスマンも多く、利用者同士の輪が広がっている」と語る。
今年7月に開業した中京区のカプセルホテル「ザ・ミレニアルズ」(客室数152室)は、ロビーにコワーキングスペースとして机やソファ約90席を設けた。宿泊者だけでなく一般の利用も可能(有料)で、月平均250人以上が訪れるという。
ほかにも、3Dプリンターやレーザーカッターが設置され、デスクワークに加えてものづくり作業もできる「マテリアル京都」(下京区)や、ワコールが運営する「スタディホール」(南区)など、市内に現在十数件があり、今後もさらに広がっていきそうだ。