窯の側面からまきをくべる京都市立芸術大の学生
産学公が連携し、京焼・清水焼を伝統的な手法で焼成する取り組みがこのほど、京都府内で唯一稼働する宇治市炭山の「京式登り窯」で行われた。京都市立芸術大(京都市西京区)の学生や府立陶工高等技術専門校(東山区)の訓練生らが、盛る炎と格闘しながら窯にまきをくべ続けた。
業界の活性化や人材育成を狙い、昨夏に行政や業界団体、教育機関などが協力して合同研究会を設置。勾配が緩い京式登り窯の共同利用は事業の一環で、学生や訓練生は今夏から登り窯の歴史を学んだり、まき割りをしたりして準備を進めてきた。
この日は午前0時、作品約1600点を詰めた窯の下部に火を入れて温度を上げた。火力を高めるため、午後3時すぎからは「一の間」の側面からまきを次々と投入。京焼炭山協同組合の講師から「腰を落として」「焦らず手早く」と助言を受け、熱さに負けず励んだ。まきの投入は26日未明まで続き、窯出しは来月8~9日の予定。
同大学大学院2年の西久松友花さん(25)は「普段使っている窯より大きく、いろいろな方法を学べた。仕上がりが楽しみ」と話していた。