(花蓮 5日 中央社)東部・花蓮県にある日本統治時代に建てられた軍人宿舎群の修繕費用として文化部(文化省)から1億4700万台湾元(約5億5100万円)の補助金が拠出される見通しとなった。与党・民進党の蕭美琴立法委員(国会議員)がこのほど、明らかにした。
同県文化局によれば、「美崙溪畔日式宿舍」は1936(昭和11)年に建造。旧日本陸軍の中村三雄大佐が暮らした住居もあり、その付近一帯は当時の近隣住民から「将軍府」と呼ばれた。戦後は、中華民国軍の化学兵学校の教務長夫妻に使用された。2001年、中村大佐の子孫が同地を訪れ、夫妻がもてなしたという。
2005年、県政府が歴史的建造物に指定。現在居住者はおらず、ボランティアにより維持管理が行われている。定期的にガイドやイベントが開催され、花蓮の歴史に対する理解促進が図られている。近年は建物の経年劣化による損傷が激しく、地元住民などの間で心配する声が上がっていた。