琵琶湖のアユ漁が5日、解禁された。水揚げは計2・4トンで、平年(5・7トン)の約4割にとどまった。歴史的不漁だった昨季(1・1トン)の約2倍は取れたものの、漁師からは「今季も厳しいのか」との声が聞かれ、不安な船出となった。
早朝、堅田漁業協同組合の船3隻が大津市本堅田2丁目の堅田漁港に戻ってきた。沖合の定置網えりで取った体長4センチ弱のアユの稚魚・氷魚(ひうお)を水揚げしたが、表情はさえない。副組合長今井政治さん(68)の船は昨季並みにとどまり「思っていたよりも少ない。初日にもっと取れないといけない」とつぶやいた。
県漁業協同組合連合会によると、この日出漁したのは15漁協で、高島市や長浜市で昨季を大きく上回った漁協もあったが、県南部で振るわなかった。県漁連は「今季は平年並みの漁獲量の確保は難しいかもしれない」とみる。取れた氷魚は体長が均一で養殖に適しているなど好材料もあった。
県によると、台風21号被害やこの日の強風で、漁に使用したえりの数は例年の約6割だった。氷魚は養殖業者に引き取られ、全国の河川へ釣り用に放流されるほか、食用として出荷される。