(台北 7日 中央社)飲酒運転の累犯者や性犯罪者、子供を襲う犯罪者に対する刑罰や罰則に「むち打ち刑」を追加すべきだとする市民の発議について、法務部(法務省)はむち打ち刑の採用が適切でないとする見方を示した。唐鳳・行政院(内閣)政務委員(無任所大臣に相当)は5日、官僚や発議者、賛同者を交えた話し合いで、むち打ち刑が飲酒運転を防止する最善策にはならないという結論に至ったと発表した。発議には、過去最高となる2万7000件余りの賛同が寄せられ、関心を集めていた。
発議は10月下旬、公共政策について一般市民から意見を募るウェブサイト「公共政策網路参与平台」に寄せられた。賛成意見は11月初旬に立案に必要な5000件を突破。同サイトで立案された発議には、所管機関が2カ月以内に回答を出すことになっている。
唐委員によれば、今月1日、この発議に関する会議を召集。会議の内容をまとめたレポートや関連資料が5日、インターネット上に公開された。
公開された法務部(法務省)の資料では、現代の刑罰がむち打ち刑のような応報刑が更生と社会復帰を促す矯正刑に次第に取って代わられている流れを紹介。台湾は拷問、残虐な取り扱い・刑罰の禁止を定めた国際連合の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に加入しており、むち打ち刑を採用すれば、この精神に反すると指摘した。