(台北 7日 中央社)権威主義の象徴の排除などを推進する「移行期の正義促進条例」の立法院(国会)通過をめぐり、「中正」や「介寿」など蒋介石元総統にちなんだ名前が付けられた道路や学校の名称変更が必要になるのではないかと懸念されている。行政院(内閣)の徐国勇報道官は6日、中央社の取材に対し、「そんなことはない。(疑念は)対立を生んでいるだけだ」と否定した。
法案は過去の権威主義的な統治の下で行われた人権侵害やその結果の真相究明などを目指し、与党・民進党が推進。5日に立法院で可決された。第5条には「公共の建築物や場所に出現する権威主義的な統治者を記念、追懐する象徴は除去、改称、あるいはその他の方式で処理されなければならない」と明記されている。
教育部統計処の資料によると、「中正」と名付けられた国公立校は台湾全土で29校。内訳は幼稚園1カ所、小学校17校、中学校7校、高校3校、大学1校。「介寿」の名前が付く公立校は5校。また、「中正路」は地政司によると台湾全土に190本前後存在している。
6日の立法院教育及び文化委員会への出席前に取材に応じた潘文忠教育部長(教育相)は、学校は「公共の場」に属するとし、法に従って対処する方針を示した。
法案は蔡英文総統の署名を待って成立する。