ここ最近、京都市内でイノシシが出没し、水に飛び込んで命を落とすケースが相次いでいる。
11月27日に平安神宮(左京区)から直線距離で約4キロ離れた二条城(中京区)まで逃げ回り、堀に飛び込んだ。今月4日には東山中学・高校(左京区)に入り込み、プールに入った末に死んでしまった。
イノシシが水に飛び込んだり、泳げたりするイメージは一般的にあまりないが、実際イノシシは泳ぐのが得意なのだろうか。
西日本農業研究センターの鳥獣害対策技術グループによると、イノシシは泳ぐことはできるが、自分から好んで泳ぎはしないという。「夏なら水浴びのために入るのもわかるが、今回は追い込まれて逃げ場がなくなって飛び込んだのでは」とみる。
では、なぜ死んでしまったのか。死因について聞いてみたところ、「解剖してみないと詳しくはわからない」との答え。冷たい水に入ったことによる心臓まひや発作の可能性はないか尋ねたが、「マイナス20度くらいの水ならわかるが、この時期だと考えられない」と否定する。
また、鳥獣被害の相談窓口である京都市地域自治推進室の担当者は「お堀の藻が足に絡まったのかもしれない」と話す。しかし、二条城の職員は「死体がお堀から引き上げられたとき、足に藻が絡まっている様子はなかったので、藻が原因ではないと思う」と明かす。死因は不明だ。