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ダム水没境内の荘川桜2世植樹 京都・東本願寺

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川桜の若木に、土をかける大谷暢顕門首(左から5人目)ら



かつて岐阜県北部の真宗大谷派の寺院境内にあり、ダム建設に伴い別の場所に移植された歴史のある「荘川桜(しょうかわざくら)」の「2世」の植樹が11日、京都市下京区の同派本山・東本願寺で行われた。大谷暢顕(ちょうけん)門首(87)らが大きく育つよう思いを込め、土をかけた。

 荘川桜は、元は岐阜県荘川村(現高山市)にあった照蓮寺と光輪寺に植えられていた。いずれも樹齢約500年のアズマヒガンで、特に照蓮寺の桜は本願寺中興の祖、蓮如の弟子たちが植えたとされる。一帯が御母衣(みぼろ)ダム建設で沈むのに伴い、1960年12月にダム湖岸に移植され、現在も2年に1回程度花を咲かせる。岐阜県北部の真宗の歴史を本山の参拝者たちに知ってもらおうと、植樹が決まった。

 東本願寺境内南側の阿弥陀堂近くで行われた植樹式では大谷門首や但馬弘宗務総長(58)らが、荘川桜の枝を接ぎ木した高さ約6メートルの若木の根元にスコップで土をかけた。但馬宗務総長は「桜は真宗の歴史の静かなる語り部だ。時代を超えて後世に伝わることを願いたい」と話した。

 植樹は同派の地方組織、高山教区と高山別院が主催して行った。


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