民芸品に見入る来場者たち(京都市下京区・京都高島屋グランドホール)
「民藝(げい)の日本」展(京都新聞など主催)が14日、京都市下京区の京都高島屋グランドホールで開幕した。生活の中から生まれた素朴な美の世界に、来場者が見入っている。
思想家柳宗悦らが大正末期、地域の風土に育まれた手仕事の品や日用の道具に美を見いだし「民芸」を提唱。1936年に東京に日本民藝館を創設した。その80周年を記念し、所蔵品など約170点を紹介する。
柳たちが全国を旅して集めた民芸品や民具を、東日本、中日本、西日本に分けて展示。わらぐつや亀の子ざる、柳ごうり、墨つぼなど、使い込まれた品は先人の暮らしをしのばせる。
寺のろうそくの芯(しん)を花形の断面に切る京都の「芯切鋏(ばさみ)」、大津絵、長崎の「びいどろ」三段重など地域の色濃い品も並ぶ。ギャラリートークでは、日本民藝館の杉山享司学芸部長が「柳の旅の跡を追体験するように見てほしい」と話した。25日まで。有料。