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台湾の伝統人形劇に新風 日台合同映像作品「サンダーボルト・ファンタジー」

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(台北 16日 中央社)台湾の伝統的な人形劇、ポテヒ(布袋戯)に、日本の感性を加味した日台合同映像作品「Thunderbolt Fantasy (サンダーボルト・ファンタジー)生死一剣」が、8日から台湾で劇場公開されている。従来のポテヒとは大きく異なる手法で台湾の伝統芸能に新たな風を吹き込み、若い世代を中心に話題を集めている。

同作は、2016年に日本でテレビ放映された「Thunderbolt Fantasy 東離剣遊紀」の前・後日譚を描いた劇場版(日本では2日公開)。総監修、原案、脚本を日本の脚本家・虚淵玄氏、人形操作、撮影、コンピューター・グラフィックスを台湾の制作会社、霹靂国際多媒体(以下、霹靂社)が担当している。

霹靂社の陳義方総経理(社長)はこのほど中央社のインタビューに応じ、同作の魅力について語った。

陳氏によると、台湾人が慣れ親しんできた従来のポテヒは、一人の弁士が登場人物全員の声を演じ分ける。これに対し、同作では人気声優を起用。古来から続く伝統を大胆に打ち破った。伝統芸能の良さは残しつつ、複数のメディアで物語を展開することで、新たな観客層を取り込むことを目指しているという。

一方で、人形に命を与える人形操作だけはハイテクに頼らないと言い切る陳氏。「コンピューター処理を施したと思われがちな華麗な動作も、全て人形師の技」と力説し、人形と人が一体となって初めて生まれる迫真の演技は「科学技術では表現できない」と胸を張った。

現在制作中のテレビ版第2期については、「霹靂社のメディアミックス展開の一環となるだろう」と、シリーズ化に前向きな姿勢を示した。テレビ版第2期は来年末に放送される予定だという。

ポテヒの映画化は前例があり、台湾スタンダードの劇場版「聖石伝説」(霹靂社制作)が日本でも2002年に公開されている。しかし、当時の日本では受け入れられなかった。「生死~」は、日本市場を強く意識した作品に仕上がっている。


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