台東の空港に配備される多目的ヘリ「ブラックホーク」
(台東 22日 中央社)台湾で航空救難任務を担当する内政部(内務省)空中勤務総隊(空勤総隊)の南区第三隊が駐屯する豊年空港(東部・台東県)に20日までに、老朽化したUH1Hに代わる新型の多目的ヘリコプターUH60M「ブラックホーク」の1機目が配備された。最終的には3機が配備される予定で、同隊の祝世全隊長は、蘭嶼や緑島など離島の医療搬送における活躍と時間短縮などに期待を寄せている。
台湾は米国から60機のブラックホークを購入。32機の引き渡しがすでに完了しており、陸軍航空特戰指揮部のほか、空勤総隊にも配属された。豊年空港の3機はレスキュー専用であるため、陸軍の黒いヘリとの差別化を図って、赤い塗装が施されている。
祝隊長によると、これまで蘭嶼の医療搬送は南部・高雄の航空機に頼っており、患者も高雄に運ばれていたため、時間がかかっていた。今後は台東から現地に向かうことも、地元の病院に搬送することも可能になる。また、夜間や山岳部での救助活動を想定した訓練も行われているという。
ブラックホークは空勤総隊が所有するヘリの中で最も飛行高度が高く、最高峰の玉山(標高3952メートル)を越えられるほか、航続時間も3時間に達するなど、高い性能を備える。