北朝鮮へ石油精製品を密輸していた香港船が韓国当局に拿捕(だほ)された問題で、台湾当局は船をチャーターしたのは台湾企業「ビリオンズ・バンカー・グループ」との韓国報道を受け、事実関係の調査に入ったと明らかにした。台湾当局は同社について「マーシャル諸島共和国に登記があり、台湾人が関与しているかどうかは確認中」と説明している。
台湾は国連加盟国ではないが、北朝鮮に対する国連の制裁決議を受け、9月に対北朝鮮貿易を全面禁止した。台湾総統府は29日、「台湾は国連の制裁決議を今後も完全に履行していく」との声明を発表した。
だが9月に平壌で開かれた国際商品展覧会に複数の台湾企業が出展しており、台湾の一部企業と北朝鮮の関係が今も続いている可能性がある。2007年には北朝鮮に軍事転用可能な精密部品を不正輸出した台湾企業が摘発されている。
韓国政府当局者によると、香港船籍で台湾企業がチャーターしたタンカー「ライトハウス・ウィンモア号」が10月15日、日本産の石油精製品を積み込み、目的地を台湾と告げて韓国・麗水港を出港。だが同19日に公海上で、石油精製品を北朝鮮の船に移し替えた。