京の年越しの伝統行事「おけら詣(まい)り」が31日、京都市東山区の八坂神社であった。詰めかけた多くの参拝者が、燈籠の神火を縄に受け、家族の健康や家内安全を祈った。
おけら詣りは、薬草のおけらを燃やして邪気を払う。持ち帰った火で雑煮を炊いたり、縄を神棚に供えたりして、新年を祝う。
午後7時すぎ、神職が境内3カ所に設けられた燈籠に火をともすと、願い事が書かれた木札が勢いよく燃え上がった。参拝者たちは、周囲から手を伸ばして縄の先端に火を移し、消えないようにくるくると回していた。
家族4人で訪れた翻訳業、橋村千鶴さん(49)=東京都=は「普段は家族が離れて暮らしているので、それぞれの場所で活躍できるように願いました」と話した。