新春恒例の蹴鞠初(けまりはじ)めが4日、京都市左京区の下鴨神社で行われた。平安装束を身に着けた「鞠足(まりあし)」と呼ばれる人たちが優雅に鞠を蹴り上げ、四方を囲んだ見物客が歓声を上げた。蹴鞠は飛鳥時代に日本に伝わり、貴族の間で流行した。現在は1903(明治36)年に発足した「蹴鞠(しゅうきく)保存会」が伝承。同神社の蹴鞠初めは昭和30年代から同保存会が奉納している。
鞠をおはらいした後、境内に設けられた正方形の鞠庭で行われた。烏帽子(えぼし)に水干、はかま姿の鞠足が「アリ」「ヤア」「オウ」と掛け声を発し、鹿と馬の皮で作られた直径約20センチ、重さ約150グラムの鞠を右足で蹴り上げた。
周囲には人垣ができ、鞠を続けて蹴り上げると歓声が湧き、落とすとため息が漏れた。大学の部活でサッカーをしていた長野県須坂市の小学校教員宮下佳恵さん(40)は「昨年はよく見えず、今年はしっかり見たいと思って来ました。サッカーとは異なる、みやびな雰囲気でした」と話した。