(新北 5日 中央社)北部・新北市の瑞芳高級工業職業学校(瑞工)出身の現役大学生らが、母校の後輩たちに日本統治時代、金鉱・銅鉱の町として栄えた地元の歴史を伝えようと、ドローンによる空撮とフィールドワークに基づき、当時の関連施設の3Dデータを作成した。その成果発表会が3日、同市で開かれ、メンバーたちはそれぞれの感想を述べた。
瑞芳地区は、ノスタルジックな街並みで知られる九フンや鉱山の歴史を伝える黄金博物館がある金瓜石、かつての製錬所跡「十三層遺址」が見られる水ダン洞など、多くの観光スポットが集まる。(フン=にんべんに分、ダン=さんずいに南)
鉱業が盛んだった時代、この一帯には鉱山関係者の住宅が多く建てられた。当時最も流行したというアスファルトコーティングの黒い屋根が続く家並みや、山の斜面に沿って1町目から9町目まで整然と形成された水ダン洞の宿舎群などは、いずれも地元の歴史を物語る特色の一つ。しかし、焼失や建て替えなどにより、当時の面影は次第に失われつつある。
瑞工の卒業生らは昨年、若者の地域参加を促進する新北市文化局のプロジェクトに応募して補助金を獲得。大学の教員や同級生らの力を借りながら元採掘夫を尋ねて話を聞いたり、ドローンを使って水ダン洞や付近の陰陽海などを撮影したりして、108日間にわたって地域に残る記憶のかけらを拾い集めたという。