台湾メディア・中国時報電子版は、日本のおせち料理の中身とともに、全て冷めている理由について説明するコラムを掲載した。以下はその概要。
日本と台湾では正月の過ごし方が異なる。日本では新暦の正月を、台湾では旧暦の正月を祝うという以外にも、台湾では大晦日に特別な食事をするのに対し、日本では年が明けてから「おせち料理」を食べるという違いもあるのだ。
日本人の間では、神様が家の中にいるとされる新年の期間中に火を使うことを忌み嫌う風習があり、台所を使わない。そこで、新年を迎える前におせち料理を用意しておく。おせち料理は四重あるいは五重といった重箱に詰められる。目にも鮮やかな料理と美しい器によって、見たところとてもきれいで食指が動くのだが、実際に食べてみるとどれも冷めている。それは、新年に火が使えないという理由のほかに、何日間か食べ続けても変質しないようにするためなのだ。
日本のおせち料理も時代の流れとともに多様化しつつあるが、一方で絶対に欠かせないものもある。赤は魔よけ、白は浄化を意味する紅白蒲鉾、腰の曲がったお年寄りを想起させ、長生きできるようにという意味が込められた海老、子宝を想起させる数の子などの魚卵類、豊作を連想させる田作り、金運上昇の願いが込められた栗きんとん、まめに働くことを意味する黒豆、「喜ぶ」につながる昆布巻き、華やかさを象徴する伊達巻などだ。
現在、台湾でも多くの業者が日本のおせち料理を取り入れている。おせち料理は全て冷たい料理ばかりではあるが、その豪華さは台湾の年越し料理に引けを取らない。また、多くは煮物料理であり、実はとてもヘルシーなのである。