川柳放送を準備する職員。放送から数分で大半の職員が帰った
「はよ帰れ 言ってるあなたが はよ帰れ」。そんな早い帰宅を促す川柳を、京都労働局が京都市中京区の庁舎で、定時退庁日の終業時間に館内放送している。同局は長時間労働削減の旗振り役だけに、率先垂範する必要があるためだ。放送の効果もあり、職員が仕事を効率的に終わらせて帰る文化が根付きつつあるという。
同局は毎週水、金曜日を定時退庁日と定めているが、以前は「健康のために早く帰りましょう」と簡単な放送を流すだけだった。職員の発案で川柳の放送を始めたのは一昨年の夏。得意な職員らが句を考え、当初の3句から昨夏には13句に増えた。
「時間外 増やすあなたは 問題外」「見直そう 慣れでやってる 時間外」などと、上司自ら早く帰ったり、組織全体で働き方を見直したりする大切さをユーモラスに表現。「一品を 増やす食卓 ノー残業」と、定時退庁が家庭円満につながることも伝える。
同局では、幹部が子育て中の職員に配慮した職場を目指す「イクボス宣言」をするなど、働き方の改善を進めている。会議の回数削減や時間短縮にも努めており、2017年度の超過勤務時間数は減少傾向にあるという。
同局の高井吉昭局長は「川柳の放送を初めて聞いた時は笑ったが、私も庁舎に残っていると職員が帰れないだろうと早く帰るよう心がけている。長時間労働は心身にストレスが掛かるので、工夫して仕事を効率化し、プライベートを充実させることが大事だ」と話す。