資料写真=中国東方航空の旅客機
(台北 19日 中央社)中国大陸が今月4日、台湾海峡の中間線付近の上空を通過する新航路の運用を一方的に開始した問題で、交通部(交通省)民用航空局(民航局)は18日、既存航路の安全に影響しかねないにもかかわらず、当該航路をいまだに使用しているとして、中国東方航空とアモイ航空に対し、申請中の旧正月臨時便の運航を当面認めない方針を明らかにした。
対象となるのは中国東方航空の上海、南京、無錫、合肥便と、アモイ航空の杭州、福州、アモイ便など、両岸(台湾と中国大陸)を結ぶ計176便で、約5万人が影響を受けるとみられる。
問題の航路は「M503」の北方向と支線3航路。M503は中国大陸が2015年、路線の混雑緩和などを理由に、一方的に設定を発表。台湾は本島と離島を結ぶ路線の運航に対する影響などを懸念し反発した。その後、5度にわたる協議を経て、南方向の供用が同年3月に開始された。北方向と支線3航路は現段階では供用せず、運用を開始する際に再協議することで合意していた。
対中国大陸政策を担当する行政院(内閣)大陸委員会の邱垂正・副主任委員兼報道官は同日、「命に関わる飛行の安全はいかなるアクシデントも許されない」と述べ、民航局の専門的な判断と対応を尊重し、支持する意向を示した。
邱氏はまた、中国大陸に対し、2015年の協議に基づいて早期に対話を再開するよう呼び掛けた。
民航局の何淑萍副局長によると、臨時便を申請した中国大陸の航空会社は8社489便。このうち中国南方、春秋など5社199便に認可が下りており、中国国際航空の114便が審議中。このほか、台湾の3社も105便を増便する予定。