八放サンゴ=海洋国家公園管理処提供
(台北 19日 中央社)世界初となる「八放サンゴ」の生態図鑑が先月台湾で発行された。南シナ海北部に位置する台湾の国立公園、東沙環礁国家公園に生息する119種が紹介されており、サンゴの見分けに役立つほか、豊富な写真を通じて海底の美しい生物をより深く知ることもできる。
八放サンゴは主に水深100メートル以上の深海に生息するサンゴで、触手が8本に分かれるのが特徴。宝飾品として親しまれる宝石サンゴもこの仲間に属する。
図鑑の発行元であり、同公園を管理する海洋国家公園管理処が17日に発表した報道資料によると、公園付近の海域は海草や魚などが多く生息する海洋生物の宝庫。八放サンゴは東沙環礁の北、東、南側に分布しているという。
しかし、八放サンゴの研究者は世界的に見ても少なく、関連知識や研究技術も広く知られていないため、調査や分析は非常に困難とされる。同処は、30年余りにわたってサンゴ礁生態系などの調査研究を続けてきたエキスパート、台湾大学海洋研究所の戴昌鳳教授と共同で図鑑を完成させた。
図鑑は、戴教授が約2年かけて東沙環礁海域で発見した119種の八放サンゴを収録。同処は、多彩な海洋生物がより多くの人の目に触れ、海についての認識を深めてもらえればと期待を寄せている。