京都大(京都市)が2017年2月に実施した一般入試の物理の問題について、「条件が不足しており、解答不能ではないか」などの指摘が出ていることがわかった。
京大は解答例を公表しておらず、対応を検討しているという。
京大に出題ミスの可能性を指摘しているのは、東京都杉並区の予備校講師・吉田弘幸さん(54)。大阪大の昨年2月の入試についても、物理の出題ミスを8月に阪大に伝えていた。
吉田さんは今月19日に京大にメールを送り、音波の反射に関する問題の疑問点を示した。移動する音源から出て壁に反射した音が、元の音と弱め合う条件を求めさせる問いについて、「音源と聞く人の位置関係、音波の性質など、解答を決めるための条件が不足している。受験生全員を正解にすべきだ」と話す。20日には文部科学省にも調査を求めるメールを送った。
この問題は、大手予備校がインターネット上で公開している解答速報や、大学入試の過去問題集でも解答が割れている。
大阪府内の物理の高校教諭は「問題の設定が複雑なのに条件が厳密ではなく、何が正解かわからない。高校生が解く入試問題として不適当だ」と話す。
読売新聞の取材に対し、京大は「学内で対応を検討している。詳しい内容は答えられない」としている。