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1600年の眠り覚ましたUFO 京都最大の円墳空撮

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(周囲を埴輪(はにわ)に囲まれた墳頂部には二つの埋葬跡が並ぶ。奥には由良川が流れ、トンネルで貫通した舞鶴若狭自動車道が走る)



豊かな田畑の中に、巨大な円形の構造物が朝日を浴びて姿を現した。京都府内最大の円墳「私市円山(きさいちまるやま)古墳」(綾部市私市町)は、市の文化的シンボルだ。

 頂上に登ると、ゆったり流れる由良川、かなたに延びる舞鶴若狭自動車道を眺望できる。さらに高く、上空に飛ばしたドローンから見下ろした墳丘は、大地に降り立ったUFOのような存在感を放っていた。

 直径約70メートル、高さ10メートルで、5世紀中頃の古墳時代中期の首長の墓とされる。同自動車道建設に伴う調査で、1988年に見つかった。未盗掘だった墓からは、よろいやかぶと、鏡や玉などが発掘された。

 開削され切り通しになるところを、保存を強く要望する声が上がり、トンネルを通す工法に変更した。河原石をびっしり敷き詰め、円筒形の埴輪(はにわ)を並べて、古墳を復元した公園として整備された。

 毎年秋には、ステージや農産物直売店が出店する古墳まつりが開催され、週末はライトアップもされる。1600年前、地域を治めた古代王が眠った丘は今、地域住民が集う交流の場としてよみがえった。


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