(台北 27日 中央社)台北機廠(旧台北鉄道工場)の車両組立工場で26日、打楽器の演奏と光のショーを融合させた音楽会「光鼓動」が開催された。文化面でのバリア解消を目指す文化部(文化省)が実験的な試みとして行ったもので、視覚障害を持つ子ども約100人が招かれた。子どもたちは、JR東日本から寄贈された583系特急寝台電車や、「英国の貴婦人」と呼ばれて親しまれた台湾鉄道のEMU100型などが保存される特別な空間で、迫力満点のパフォーマンスを堪能した。
台北機廠は日本統治時代の1935年に落成。台湾最大の車両基地としてメンテナンスや組み立てなどが行われた。2013年に工場機能が移転した後、跡地が15年に国定古跡に指定され、現在、アジア最大級の鉄道博物館として再利用するための整備が進められている。
文化部の楊子葆次長は、鉄道博物館の目標は各年齢層や心身障害者の文化イベントへの参加ハードルを下げることにもあるとして、文物の保存、収蔵だけにとどまらない、多様性を持つ博物館の未来像を示した。また、昔ながらの機械が残る古い工場で楽しむ打楽器演奏は車両を修繕する際の音を連想させ、聞き手の共鳴を呼ぶことができるだろうと、音楽会の成果に期待を寄せた。
音楽会は28日まで計4回開催されることになっており、芸術文化団体、外国人、台湾鉄道の元職員やボランティア、鉄道ファンなども招待する予定。