竹筒で振る舞われるがん封じの笹酒を杯で受ける参拝者
京都市左京区一乗寺の狸谷(たぬきだに)山不動院で28日、恒例の初不動が営まれた。前日までに降った雪が残る境内に大勢の参拝者が詰め掛け、がん封じに御利益があるといわれる笹(ささ)酒が振る舞われた。
毎月28日は本尊である不動明王の縁日で、最初の1月は「初不動」として知られている。笹酒は、約300年前に木食(もくじき)上人が狸谷山に流れる滝の水を青竹の筒にくんで病人に飲ませたところ、病気が治ったという言い伝えにちなんでいる。
この日、京都市内は早朝に氷点下1・2度まで冷え込んだ。寒さが厳しい中、午前9時ごろから本殿までの長い石段を参拝者が続々と上がってきた。青竹の筒に入れて護摩の火で温められた酒を杯で受け取り、無病息災を祈って飲み干していた。
毎年訪れているという熊谷善行さん(72)=左京区=は「今年も健康で頑張りたい。笹酒に力をもらいました」と話した。