(桃園 29日 中央社)29日午前6時42分ごろ、北部・桃園市にある石油工場で火災が起きたと通報があった。現場では炎が上がり、一時は燃え広がるかと思われたが、午前7時30分ごろに炎の勢いは収まった。この火災で消防隊員約100人、消防車と救急車約40台が出動した。けが人などは出なかったという。
工場は国営企業、台湾中油のもので、同市亀山区、桃園区、蘆竹区の3区にまたがる位置にある。地元住民によれば、大きな爆発音で目が覚め、窓を開けると工場から炎と黒い煙が上がっているのが見えたという。フェイスブックには火災現場を捉えた写真や避難を呼び掛けたり、異臭を訴えたりする文章が数多く投稿された。
消防局は加熱炉管の破裂で発火したとみており、詳しい原因や被害状況などについては調査中だとしている。焼失面積は約50平方メートル。
同工場は主に北部に供給する家庭用プロパンガス、自動車やバイクのガソリンなどの生産を担うほか、桃園国際空港や台北松山空港の航空機用ガソリン、台湾電力火力発電所の燃料なども生産している。同社は火災による燃料などの供給に対する影響について、南部・高雄市の大林工場で調整を図るため台湾内での供給に問題はないとしている。
同工場では1977年の生産開始以来、火災や爆発などが十数回発生しており、地元住民からは移転を望む声が多く上がっている。