李栄春さん=屏東県政府提供
(屏東 31日 中央社)南部・屏東県で生産された黒豚の子豚100頭の生体がこのたび、香港に輸出された。家畜伝染病の口蹄疫が1997年に発生して以来、初めてだという。同県政府農業処の鄭永裕副処長は、台湾が口蹄疫の影響から脱却できるよう努力を続けていくとしている。
香港に黒豚を輸出したのは同県で養豚を営む李栄春さん。輸出された品種は「平埔黒豚」で、李さんが9年前から台湾大学の教授と協力して繁殖を行ってきたもの。李さんは2016年、行政院(内閣)農業委員会の支援を受けられる農家に選出。平埔黒豚を将来的には日本の「かごしま黒豚」のような国際的なブランドにしたいと意気込んでいる。
台湾では1997年、豚400万頭以上を殺処分する大規模な口蹄疫が発生。2009年に再び確認され、2013年5月には中部・台中市で、2015年4月には離島・金門県でも発生が認められた。昨年、本島や離島・澎湖、馬祖が国際獣疫事務局(OIE)によりワクチン接種下で口蹄疫が発生していない「ワクチン接種清浄地域」に認定。金門県についてもすでに認定申請の準備に取り掛かっているという。
だが、中華民国養豚協会名誉理事長の潘連周さんは、台湾はまだ口蹄疫の影響から完全に脱却できていないと指摘。台湾では近年、豚コレラが発生しており、農家もワクチンの接種を止められない現状があるとしている。