6月に試験運行が始まるレールバイクの車両
(苗栗 2日 中央社)廃止された旧山線の線路を活用し、観光促進につなげようと、レールバイク運行に向けた準備が進められている。苗栗県政府文化観光局は1日、レールバイクの車両をお披露目した。6月に試験運行を開始する予定で、夏休みの正式開業を目指す。レールバイクの運行は台湾で初めて。
旧山線は三義(苗栗)―后里(台中)間を走る全長15.9キロの路線。日本統治時代に開業し、100年以上の歴史を有する。新線の供用開始に伴い、1998年に廃止された後、2010年から2012年にかけて蒸気機関車の復活運転が6度にわたり行われたが、コストの高さから定期運行には結びつかなかった。沿線では1935年の新竹・台中地震で崩壊したれんが造りのアーチ橋「龍騰断橋」のほか、変化に富んだ景色も見られる。同県は旧山線を観光名所にしようと、交通部観光局から3億台湾元(約11億2200万円)の補助金を獲得。世界遺産への登録も目指している。
文化観光局の林彦甫局長によれば、まずは勝興駅から内社川橋までの県内区間全長約6キロでレールバイクを運行する。途中には龍騰断橋や5つのトンネルがある。所要時間は約30分。車両は4人乗りで、電動アシスト機能を搭載し急勾配に対応するほか、GPS(全地球測位システム)との連動で音声ガイドサービスも提供する。設計から製造まで全て台湾製だという。
徐耀昌県長は、鉄道小旅行の新たな楽しみ方で、旧山線の風情を満喫してもらえればとアピールした。