梅の名所として知られる京都市上京区の北野天満宮は2月下旬から3月中旬にかけて、週末の夜間限定で境内の梅苑のライトアップを初めて行う。かがり火や照明で闇の中に梅林を浮かび上がらせ、参拝者にかれんな花をめでてもらう。
祭神の菅原道真が梅の花を愛したとされることから、天満宮には50種、約1500本の梅の木が植わる。一年の健康を願って元旦にさゆに入れて服す正月の縁起物「大福梅」にも境内で採取された梅の実が使われている。
梅苑には、早咲きから遅咲きまで多様な梅の木が植えられており、今年は2月9日~3月下旬に一般公開する。天満宮によると例年、参拝者から「夜もゆっくりと梅を見たい」との声が寄せられていたという。
今回のライトアップでは、梅苑の約20カ所でかがり火をたいたり、木の根元付近に照明を置いたりして白や紅色の小さな花を暗闇に優しく照らし出す趣向とする。実施日は2月23日~3月18日の金、土、日曜の計12日間の予定。
梅林のライトアップは、京都と滋賀では彦根城(彦根市)で2017年春から行われているが、京都府内での開催は初めてとみられる。天満宮の神原孝至総務部長(48)は「梅の花は、昼はりんとした美しさを見せる一方、夜は妖艶さを醸し出す。寒い時期だが、ぜひ昼夜とも参拝に訪れてほしい」と話す。