鄭問さんの原画に見入る漫画ファンら
(台北 10日 中央社)「東周英雄伝」などで知られる漫画家で、昨年3月に心筋梗塞で急逝した鄭問さん(享年58)を記念する「千年一問-鄭問故宮大展」が6月中旬から国立故宮博物院(台北市)で開催される。故宮で漫画家の展覧会が開かれるのは初めて。今月7日から、チケットの先行販売がスタートした。
同展では、原画500点以上のうち、選りすぐりの約250点が展示される。ガラスケースには拡大鏡が多数設置され、印刷では見られない細部まで鑑賞できるという。なかでも、台湾、日本などに散らばっていた「鄭問画集-鄭問之三国誌」の原画が集められ、初めて完全な形で公開される。
鄭さんの弟子で、台北市漫画従業人員職業工会(労働組合)の鍾孟舜理事長は7日、台北市内で開催中の「台北国際ブックフェア」で、展示予定の2点を紹介。恩師は「私にとってはゴッホと同じくらい偉大」と尊敬の念をあらわにし、同展をきっかけに芸術家としての位置づけが広く議論されるようになればと期待を示した。
鄭さんは水墨画と西洋絵画の技法を融合させた独特の作風が特色。1990年に「東周英雄伝」で日本デビューを果たし、翌91年に日本漫画家協会賞の優秀賞を外国人として初めて獲得したほか、ゲームのキャラクターデザインなども手掛けた。
同展の開催は6月16日から9月17日まで。